よくある質問

地球を思う心と太陽光発電

Q1. 太陽光発電システムは本当に地球環境に優しいの?

A.地球環境にやさしいとは、人間(時には全ての生き物を含めて)の生きていく地球環境が今後もずーっと持続可能であることです。化石燃料は地球温暖化の一因とされ、いずれは枯渇してしまうものですから、化石燃料に頼る生き方は持続可能とは言えません。100年単位で先を見通すと再生可能エネルギー(以下自然エネルギー)は人類が消費するエネルギーの大半を占めるといわれています。その中でも太陽光発電システムは、太陽エネルギーを利用して電気を作ることと、製造過程の全部を通じて二酸化炭素の排出量が少なく、製造時に要するエネルギーを2年程度で回収できることから、地球環境にやさしいと言えます。

Q2. 太陽光発電システムの長所と短所は?

A.ものめずらしさも手伝って現状は設置することだけでも満足を得られる人たちが多くいますが太陽光発電の長所はそれを使い利用する人たちの創意工夫によって広がると考えられます。現状での長所短所を挙げれば以下のようになります。 長所としては 1.小規模ということから身近な場所(需要地)で設置し発電可能なこと 2.システム構成が簡単で、大型から小型まで作ることが出来、住宅用に最適なこと。 3.太陽光エネルギーを直接電気に変換するので熱したり回転したりする発電機が要らず安定的で故障の少ないエネルギー変換器であること 4.独立的に使用すれば送電線を増設しないですみ、設備費を節約できること 5.昼間に発電することで電力消費ピーク対策に寄与すること 6.災害等による停電時の非常用電源となること 7.自分で電気を作ることから節電意識ひいては環境意識が向上すること 短所としては 1.価格が他の電力源に比べて現在のところ高いこと 2.発電量が天候に左右され不安定でること 3.屋根美観を損なう可能性があること

Q3. 太陽光発電システムは製造時と廃棄時にどれだけの二酸化炭素を排出しますか?

A.太陽光発電電力量1kWh当りのCO2排出量は53gです。(電力中央研究所資料より)1kWの太陽光発電システムの年間発電量は約1000kWhです。太陽光発電システムの製造時に要するエネルギーは太陽光発電が発電するエネルギー量の2年から3年と言われています(EPT、Q5参照)。製造時に排出するCO2は106kgから159kgとなります。 廃棄時のCO2排出量はは次問のQ4にあるとおりこれから解明するところでまだ不明です。

Q4. 廃棄時のリサイクルや中古市場は確立していますか?

A.現状は一般産業廃棄物扱いです。リサイクルシステムや中古市場は現在確立されていません。初期に設置した人たちがようやく10年目に差し掛かるところです。太陽光発電は寿命が20年以上と長いので、今後の生産量の増加によって、リサイクルやリユースが求められることは確実です。、研究所ではセルを再生する方法が報告されている段階です。中古市場は準備段階に入っていると言いうにはまだ時期尚早です、今から準備しておく必要があります。 化合物型太陽光発電がこれから本格的に市場に参入することが予想されますが、微量でも重金属を拡散しないで閉じた流通システムを作ることも同時に検討されています。 太陽光発電モジュール(PVパネル)のアルミ枠や架台等は容易に解体し、再生可能な構造になっています。

Q5. 廃棄や製造過程での二酸化炭素の排出量は設置した期間の環境貢献を張消しにしてしまいませんか?

A.太陽光発電システムの製造に要するエネルギー量と同じ量のエネルギーを、同じシステムが発電するのに要する時間をエネルギーペイバックタイム(EPT)と言います。太陽光パネルの半導体の種類や製造過程の使用電源或は架台の違いなどによって異なりますが、現在では2~3年といわれています。平均的な使用年数を20年とすると、17~18年間は地球に負荷を与えないで環境貢献をしていることになります。

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太陽光発電システムと発電・電気について

Q6. 標準的な太陽光発電システムの発電量で、どれだけの電気をまかなうことができますか?

A.発電量は,設置条件(太陽電池モジュールの設置方位,傾斜角度,周辺状況,影の有無など)や気象条件によって変化しますが,1kW当たり約1000kWh/年の発電量を得ることができます(新エネルギー財団による統計調査では,全国を対象に1997年度から2001年度までの結果では,平均991kWh/kWの発電量です)。一般家庭向けの標準的な3kWシステムでは,約3000kWh/年の発電量となります。電力使用量は,家族構成や所得,ライフスタイルなどによって様々ですが,一般の標準世帯(夫婦,子供の4人の世帯)では,電力使用量が月平均280kWhとされており,年間3360kWhとなる。従って,3000/3360 = 89.2% 約90%の電気を賄うことが出来ます。ということは3.5kW程度のシステムだと自己消費分を太陽光発電で100%賄うことができることになります。省エネをすることによって少ない発電システムでも自給可能といえます。 http://nef.weathereye.net/shukei.php

Q7. 定格出力と実際の出力の差は?

A.太陽電池の定格出力はJISで定められた一定の条件下で算出された値で示されています(基準状態:モジュール表面温度25℃,AM1.5,日射強度1000W/m2)。ソーラシミュレータ等を用いて屋内で値付けが行われます。また,出荷されるモジュールは,定格の±10%とされています。実際の発電能力は,日射強度(日射量)や周囲温度,設置された方位や角度に大きく依存します。シリコン結晶系の太陽光発電モジュールはその表面温度が,外気温度に比べて20~40℃程度高めになるため,基準状態に比べて出力が10~20%低下します。その他システム機器自体にも各種のロスがあります。電気配線,モジュールのガラス表面の汚れ,逆流防止ダイオード等の損失で,約5%ほど低下します。。パワーコンディショナー(接続箱を含む)による損失で,約8%低下となり,実際の太陽光発電システムの出力は,晴天時でも太陽光発電システム容量(定格)の約60~80%(瞬時値)が実際の出力として利用できる目安です。定格出力の70%と覚えるといいでしょう。 多くの設置者がメーカー表示の発電出力と実際の発電量が大きく乖離していることに戸惑っています。期待はずれだったというクレームの大きな項目になっています。メーカ出荷時の発電量表示を実際に近いものにするか販売時に説明を徹底するように改善する必要があります。

Q8. 太陽光発電システムを取り入れて電気の使用量は変りましたか?

A.自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP)の1998年のアンケート調査「太陽光発電設置前後でのエネルギー使用量の変化は?」の設問に対し ・ 大きく変った:26% ・ ある程度変った:46% ・ ほとんど変らない:20% ・ 無回答: 9% となっています。使用量が増えた人が約20%いますので、7割近い人がに変ったとしているいるので50%が省エネルギーになったことが解ります。設置後の年数が経過すると元に戻る傾向があるが全体的には省エネルギーの電気使用量変化と言えます。 太陽光発電システムを同時に設置する新築時には家全体の構造・規模が変り以前と比較が困難ですが、電気装置類が増える傾向があるため使用量も全体として増えています。 「設置前後での省エネ意識の変化は?」の設問に対して同じ調査では ・ 大きく変った:24% ・ ある程度変った:57% ・ ほとんど変らない:20% ・ 無回答: 0% とあり、省エネ意識に変ったことを示しています。

Q9. 系統連系と独立系はどう違うのですか?

A.系統連系形とは,電力会社の電力網と接続して,電力のやりとりが相互にできるシステムです。このシステムでは,太陽光発電システムが発電した電力が家庭での消費電力よりも上回り,余った場合に電気を逆潮流(電力会社側に電気を送る)して,無駄なく利用できます。またその分は,電力会社に売ることができます。 独立形とは,電力会社の送電線とは分離し,電力会社と関係なく,独立して発電し使用するシステムです。このシステムの場合,使用可能電力量はPVシステムの発電電力量以下に制限されると共に,夜間や雨天時のPVシステムの発電が期待できない場合に備えて,蓄電池を接続して電力を蓄えておく必要があります。また,送電などの必要がないため,山小屋や離島灯台など電力会社が送電線を引くことが難しい場所に有効利用されています。個人としては,ベランダに設置するなど小規模案システムとし設置される例もあります。

Q10. 発電した電気は夜に使えるのですか?

A.通常は,太陽光発電システムは,日射のある時しか発電できません。しかし,蓄電池など電気をためる装置がある場合は,昼間発電した電力をためておいて,夜間利用することも可能です。蓄電池付きは,独立形では一般的でしたが,系統連系形でも蓄電池付きシステムの導入も検討されています。また,電力会社を大きな無限大の蓄電装置と考えれば,昼間逆潮流する電力を夜間に利用していると言う考え方もできます。

Q11. 地震などの災害で停電になった時でも使えますか?

A.パワーコンディショナーに自立運転機能があるものであれば可能です。方法は,安全のため系統連系用ブレーカを開放して系統とインバータを切り離し,自立運転専用コンセントにのみ電力を供給するようにします。このコンセントから,通常に電気が利用できます。当然ながら,日射があること,地震などで障害がない場合のみ利用できます。この場合は,独立形となりますので,太陽光発電システムで発電した分のみしか利用できません。あくまでバックアップ用としての利用となりますので,必要最低限の負荷供給用として,3~4kWの系統連系用インバータで,1.5kW程度の出力となります。また,古い機種には,インバータに別途100V電源が必要な場合があります(システム取り扱い説明書を参照して下さい)。

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太陽光発電システムとそろばん勘定(費用)について

Q12. 設置費用などの初期投資分は、何年くらいで回収できる見込みですか?元は取れますか?

A.太陽電池の取得時期,電灯契約によっても差があります。最近取得した方の場合は,標準家庭の(4人家族)の場合、電灯契約が従量電灯の場合で30年~40年,時間帯別契約の場合20年~30年ぐらいで初期投資が回収可能です。節電に努めている人の中には、それぞれ、前者で20年前後、後者で15年前後の例があります。 また、電力会社によって深夜電力を併用した電力契約メニュー(例えば東京電力の場合はナイトエイト、ナイトテン、電化上手など)があり、昼間の電力が30円/kWhを越えるものがあります。この場合は回収年数が5年前後短縮する例があります。

Q13. 設置した太陽光発電システムの1kWあたりの価格はいくらくらいですか?

A.10年前(1997年頃)は,1kWあたり平均100万円ぐらいでしたが,最近では平均70万円前後です。訪問販売では比較的見積価格が高めだといわれています。新たにシステムを購入される場合は複数の販売会社から億劫がらずに見積もりをとることを進めます。価格も自ずと競争原理が働き低めになります。ただ過度の値引きは設置工事の手抜きなどになってしわ寄せが来ますので複数の見積もりから相場を判断して決定されるのが賢明なグリーンコンシュウーマーといえます。なお以下のサイトで最新の価格情報が参照できます。 新エネルギー財団 http://www.solar.nef.or.jp/josei/zissi.htm PVTEC  http://www.pvtec.or.jp/data.html

Q14. 太陽光発電システムはどのように発電するのですか?

A.太陽電池は,太陽の光があたると光電効果によって,半導体の中で+と-に分かれます。これに負荷をつなげると直流の電気として取り出すことができます。太陽電池は,最小単位をセル,それをパッケージしたものをモジュールといいます。そして,架台に取り付け,何枚かを接続配線したものをアレイと呼びます。ここまでは,上記の仕組みと同じように直流電力の発電を行います。これに,直流電力を交流電力に変換する,パワーコンディショナを接続して,太陽光発電システムとなります。太陽電池セル・モジュール・アレイからパワーコンディショナを介して,交流電力の発電を行います。独立系のシステムではモジュールと直流ファンなど直接昼間利用するものとバッテリーで蓄電して使用するもの、さらに交流にして一般の電気製品を動かすものがあります。

Q15. 太陽電池の種類とそれぞれの特徴を教えてください。

A.太陽電池には,シリコン系と化合物系(III-V,II-VI)があります。シリコン系が一般的です。シリコン系には,結晶系,非結晶系があり,さらに結晶系には,単結晶,多結晶があります。 特徴としては, ・単結晶系:高効率(15-17%)でセルの形状が疑似正方形になりモジュール組み立ての時隙間が出来ます。 ・多結晶 :高効率(12-14%)でセル形状は正方形です。現在最も出荷量が多い。 ・非結晶系(アモルファス):効率(6-10%)薄膜で大面積や,曲面加工ができます。電卓や時計に使われ住宅用の太陽光発電がない時代では主流の製品となっていました。 ・化合物系:CIS,CIGSなどがあり効率が8%前後で一般家庭用として商品化されつつあります。 ・球状セル:テキサスインスツルメント社が1991年に発表した球状シリコン太陽電池は現在は展示会にサンプルが出てくる段階になっています。 ・薄膜太陽光発電:シリコン材料を極力減らすことで大幅なコストダウンを狙いさらに設置の自由度を増す意味で1ミクロン程度の薄膜の技術開発と実用化が競われています。 ・有機太陽光発電:光合成の原理を活用した色素増感太陽電池も変換効率の向上が実験段階で報告され注目を集めています。コストダウンの切り札の1つです。

Q16. 太陽光パネルを選ぶ場合、どんなことを基準に選べばいいですか?

A.個人が住宅用として選択するのであれば,各社のパネルの選択の自由度はほとんどない。大きな性能の差がなくなってきているからです。選択をする場合まずは,環境重視であるか,経済性重視であるかが考えられます。環境重視であれば,太陽光発電システムを製造するのに必要なエネルギー量など(EPTやLCA等)をメーカに聞いてみるなどが考えられます。経済性重視なら,設置コストで選ぶことが重要でしょう。両方ともに重要なことは,ランニングの発電量ですので,それに関しては,定格の効率などではなく,温度特性や分感度特性などを気にするのが良いと考えます。定格出力測定と同じ条件は,実フィールドでは少ないので,同じ定格でも実フィールドで性能が良いものを選ぶことがポイントです。パネルの効率に関しては,設置に必要な面積に影響がある程度なので,あまりそれにとらわれず,自宅の屋根に何kW載せたいか,載せられるかという観点で選択することが重要と考えます。また,新築,既築などにより,建材一体型や屋根置型などが考えられます。デザイン性にすぐれたものもありますので,そういった観点で選ぶことも一つの方法だと思います。あとは,太陽光パネルメーカのメンテナンスやサービスの充実なども選択肢の一つだと考えられます。

Q17. 太陽電池の寿命はどれくらいですか?

A.太陽電池としての寿命は,まだ正確に分かっていません。寿命が30年以上とか半永久的と言われています。ただし,システムとしては,インバータなどの寿命(~10年)が先にあると考えられます。期待寿命については,太陽電池モジュールは約20年以上。実際に30年以上稼働している例もあります。ただし,汚れや外観変化などにより,出力低下する事例もあります。その他,機器(パワーコンディショナ)は各メーカとも設計寿命が10年程度の部品を使用するようになりメーカー保証期間も10年が定着して来ました。30年以上を考慮して減価償却年数を考慮することも重要です。

Q18. メンテナンスや掃除は必要ですか?

A.汚れに関しては,通常,雨で大抵の汚れは洗い流されます。ただし,油分を含む汚れなどすべてを洗い落とすことはできません。実験としては,JQA(日本品質保証機構)がモジュールを利用して試験した結果,年間で1.0~2.2%程度の低下が見られました。 しかし,場所によって偏在があり,周囲の環境に依存することもあるようです。また,常に汚れているわけではなく,雨天時のあとなどには,汚れは取り除かれる結果もでています。傾斜角度との関係もあり,傾斜が浅いと若干汚れがたまりやすいようです。他にモジュールの構造により,しきいがあるようなモジュールに関しても汚れが溜まり易いようですが,定量的な評価を十分に行った例は,あまりありません。高速道路の近くや,火山灰の降るところなど特殊なケースをのぞいては,それほど気にする問題ではないと考えています。極端に出力が落ちるなどある場合は調査が必要かもしれませんが,屋根に登るなどは危険ですので,メーカや設置業者にご相談されることをお勧めします。

Q19. 維持管理費用は掛かりますか?

A.設置者の中で不具合がない場合はほとんど維持管理費が掛かっていません。しかしメーカの10年保証を受ける場合には4~5年おきの有償点検をする必要がありその費用が1~3万円と幅があります。完全にメンテナンスフリーと言うことはできません。しかし同じ自然エネルギーでも風力発電などと比べると費用は大幅に少ないと言えます。

Q20. パネルの経年劣化はありますか?

A.太陽電池モジュールに関しては,まだ完全に解明されていませんが,関西電力(株)六甲実験センタにおいて10 年以上使用された太陽電池モジュールの劣化状況の調査を行い,140枚程度のモジュールを利用して,宮古島,鳥栖市,北見市,オマーン国などで長期暴露試験を現在も実施中です。モジュールに関しては,充填材が白濁したり黄濁したりするケースも見られていますが,数として多くはありません。現在は,加速試験の方法も開発しています[1]。 また,1966年に設置した長崎県尾上島の灯台用太陽電池(シャープ製)が、現在も現役で稼動している例もあります。[2] 海外では,ドイツで1982年から設置されている20年間設置されたPVプラントでの約250枚のサンプル数のうち13枚が1.7%程度劣化,5枚が9.1%劣化という結果もあります[3]。発電するという点では,20年以上は,持ちそうですが,汚れや劣化による影響を定量的な結果は,まだあまり見られません。太陽電池セル自体は,基本的に半永久とされています。そのため,再利用するリサイクリングのプロジェクトもあります[4]。 太陽光発電システムとしては,パワーコンディショナなどの装置に関しては,各メーカとも設計寿命が10年程度の部品を使用しています。 [1] NEDO技術開発機構 「太陽光発電システム共通基盤技術研究開発:太陽電池評価技術の研究開発」 [2] http://sharp-world.com/sc/excite/kankyo/text-2/energy-3.html [3] A. Realini, et al, “Study of a 20-year old PV plant (MTBF Project)”, 17th European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition. [4] NEDO技術開発機構 「太陽光発電システム共通基盤技術研究開発:太陽光発電システムのリサイクル・リユース処理技術等の研究開発」

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故障・保険・メンテナンスについて

Q21. 太陽光発電システムで壊れやすい箇所などがあれば教えてください。

A.これまでのシステムクレームの原因は、ほとんどがパワーコンディショナーですが、PV-NETに寄せられている情報では、一部、ホットスポットや表面の白濁など太陽光モジュールにも散見されるようになり出力減少となっています。パネル表面は強化ガラスでできており4cm大の雹が降っても大丈夫ですが、裏面は樹脂だけで被われ、傷つきやすいので取り扱いには注意を要します。線材の配管は紫外線に弱いので紫外線対策品を使用する必要があります。 機器の設置もメンテナンス時のやりやすさを考えて考慮する必要があります。

Q22. 保障や保険制度はどうなっているのですか?

A.メーカーの保証は、各社で多少の違いはありますが各社共通しているのは「機器保証10年」と言うものです。工事を含めたシステム保証をしているメーカーもあります。初期に設置した人の中にはこの保証がなくあやふやなものもあります。太陽光発電システムメーカー全体の補償のあり方で共通したものがありません。 メーカー保証が早晩期間満了となってきます。その時のためにも新たに保険制度を導入する必要が出てきます。現状ではユーザーに有利な制度が確立していませんので今後の課題ですが、PV-Netでは会員数も多いので早急に出力補償も含めた保険制度確立の検討をする予定です。

Q23. 故障したときの状況や対処法やメーカー、電力会社の対応などを教えてください。

A.設置業者または、メーカーにまず連絡して対処してください。PV-Netではスムーズな対応がメーカや設置業者から得られない場合は相談窓口を設定して対処していく体制を作りつつあります。既に何件かはこれまで個人として放置してきたトラブルを解決しています。 万が一故障したときのために「取扱説明書」「保証書」のほかに「基本仕様書」「単線結線図」「太陽光モジュール結線図」を揃えておくことが大切です。 パワーコンディショナーの表示部に異常コードが出るものもあります。表示がされた時は表示をメモした後、「取扱説明書」を参照して処置して下さい。処置しても改善されない場合は装置全体あるいはパワーコンディショナーに異常がある可能性があります。そんな時にはパワーコンディショナーの運転を「停止」し、系統連係用ブレーカを「OFF」にして、パネルメーカーか設置業者に直ちに連絡をして下さい。 実態調査でも判明していますがトラブル時の対応は比較的好感をもたれる例が多いようです。設置業者も訪問販売の教訓を生かすように動いているようです。ほんの一握りの悪質な業者の心もとない動きの為に業界全体が糾弾される例は多く見受けられます。その弊害を排するような仕組み作りが政策としても求められているようです。

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太陽光発電の工事について

Q24. どんな屋根にも設置できますか?

A.どんな屋根にも設置は出来ますが強度的に不安のある築年数の古いもの、屋根面積の小さいものには、希望のシステムが設置できないことがあります。また、豪雪地帯や海岸から距離の近い場所では、設置が出来ても塩害問題などで保証がされない場合がありますのでこうした制約条件をよく知っている業者やいなければPV-NETにご相談ください。

Q25. 屋根の種類によって気をつけることは?

A.屋根の形状(切妻、寄せ棟、片流れ、入母屋、陸屋根)と葺き方(瓦、コロニアル、金属板瓦棒など)によって工法が変わります。太陽光発電に最も適しているのは南向きの切妻か片流れの屋根です。寄席棟は三角あるいは台形パネルを使用すると出力が多く取れるだけでなく見た目にもきれいに仕上がります。陸屋根は架台の基部を建物に直結したアンカー固定が必要でその上に架台を設置しなければなりません。設置費用が屋根設置に比べて割高になります。 瓦屋根以外は、屋根の塗装塗り替え終了の時点で太陽光発電システムを設置する段取りをとっておくのが賢明です。

Q26. 新築か既築かによっても違いがあるのでしょうか?

A.現在新たに設置される太陽光発電システムは既築が84%を占めています(2002年度)。 新築の場合は、屋内配線の壁内設置が出来て室内がスッキリと出来ること、屋根材一体型が選択できるなどの特長があります。 既築の場合耐用年数や建物構造によって補強対策が必要な場合があります。

Q27. 来年家を建替えますが、今ある太陽光発電システムはまた使えますか?

A.太陽光モジュール、パワーコンディショナー、接続箱は、再使用が出来ます。配線関係の部材は、新規のものにしなければなりません。工事費は最初の撤去費用が余分に掛かる分だけ出費がかさみます。また保管場所も考えておく必要があります。実際に移設した事例は、いくつかあります。

Q28. システムを設置した場合、屋根裏の気温が夏は涼しく冬は暖かいと言うのは本当ですか?

A.屋根置き型の場合は、実質2重屋根になり遮蔽効果により夏季の室内温度の上昇を抑え夏は涼しく、冬は放射冷却による室内温度低下を抑制し暖かくなります。冷暖房費の削減につながります。太陽光発電に興味のない家族の方でもこの太陽光発電の屋根おき効果は認めて感謝している例が多くあります。外断熱の一種といえます。

Q29. システムの設置工事にどれだけの時間がかかりますか?

A.太陽電池設置と配線工事だけなら1~2日で完成します。ただし電力会社と発電電力の売買契約締結に1ヶ月程度必要です。また、工事前の事前調査を必ずすることを、お勧めします。その時まかせっきりにしないで立ち会うことが後々のそのためにも効果があります。事前調査には半日は必要です。

Q30. 一番効率の良い設置方位と角度は?

A.南向きに傾斜角度20~30度が理想的です(建築の屋根勾配の5寸から6寸勾配にあたります)。ただし南東向き,南西向きでも傾斜角度が同じなら年間発電量は南向きの場合とほとんど変わりません(南向きの96%ぐらいの発電量が期待できます)。発電に一番影響があるのが影の問題です。それも季節の変化を考慮に入れた配慮が必要です。例えば夏季には樹木が生茂る為影の範囲が大きく広がることがあります。

Q31. 太陽光パネルのデザインで良いものがあれば教えてください。

A.屋根の外観を重視するなら,屋根一体型,建材一体型のパネルが良いでしょう(ただし、温度上昇による発電低下が若干予想されます)。屋根置き型タイプにする場合は,三角パネルや台形パネルの組み合わせで外観が向上することがあります。特に寄棟形状の屋根には有効です。軽いパネルを使用すると工事も楽で、屋根にかかる負荷が小さくて済みます。ひいては工事費の低減にもなります。太陽光発電メーカの技術開発が望まれます。

Q32. 施工会社に頼む場合、事前に調べておくことや何か注意する点はありますか?

A.屋根の面積や形状、向きや角度,その他周辺の状況等を提示して発電量をシミュレーションしてもらい経済性を検討しましょう。 周辺の建物(空き地の将来の利用計画)や樹木の種類などを調べ,将来日影の原因になるものが無いか調査しておく事も重要です。 雪も100cm/年以下であることが望ましく、落下時の被害がないことを確認して下さい。アンテナ,電柱,屋根に来る鳥の糞被害も、発電の障害になります。施行業者の実績や担当者の経験、サポート体制の有無も、大事な点検項目です。

Q33. 訪問販売の悪質なやり方が問題になっていますがどんな内容ですか?

A.訪問販売そのものは通常の商取引であり、太陽光発電の普及に大きな貢献をしています。しかし、消費者の油断や弱みを故意に,強引に利用して売り逃げする悪質な業者もいます。 訪問販売法成立前は,太陽温水器と電気温水器と太陽光発電システムを組み合わせて販売し、ローン契約を強引に進める手口がありました。法律が制定されてからは,値引き販売と称して実際は市価よりも高額で販売したり,助成制度が利用出来なくなるからと契約を急がせる等の手口があります。 なお太陽光発電システムにもクーリングオフ制度(消費者が契約成立後,一定期間内で解約できる保護制度)が適用されますので,不審に思ったら当ネットワークへ相談してください。

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助成制度について

Q34. 太陽光発電システムの補助・助成制度にはどのようなものがありますか?

A.NEF(新エネルギー財団)の太陽光発電助成制度 平成16上期 4.5万円/kW 上限10kW未満(出力1kW当たり9万円,9.99kWまで受けられる)です。平成17年度から・経済産業省の住宅用太陽光発電導入促進対策費補助金交付であるNEFの補助金制度は終了する予定です。普及をさらに発展する為には別の普及奨励策が必要です。 自治体補助は静岡県富士宮市が日本で最も早く実施しています。133の都,県,区,市,村の補助金制度として行われています。 5~10万/kW,融資,国の補助1/2,融資斡旋利子補填などが主力になっていますが殆どは国の補助制度と連携しているため大本の制度がなくなることになります。埼玉県川越市は国と連動せず市独自の制度としてやっています。 個人住宅ではありませんが環境省での太陽光発電助成もスタートしています。 新築や屋根葺き替え時の住宅借入金等特別控除、地方公共団体、新築時の住宅金融公庫よりの融資優遇措置もあります。 財団法人広域関東圏産業活性化センター(GIAC)が事務局をやっているグリーン電力基金の補助もあります。設置場所が公的な(市民共同発電所も含む)形であれば有力な補助となります。

Q35. 助成制度を利用する場合の注意点などあれば教えてください。

A. ・NEFに関しては,2年間の測定データ報告義務が有ります。応募資格を参照して下さい。。 ・事前予約,受理通知後,2ヶ月以内の着工。着工後,建設は,3ヶ月。新築は,6ヶ月以内 or 平成16年3月10日までに完工。9.99kW以下,中古不可。電力会社と電力契約別完工は,応募申し込み以降となります。 ・募集期間があります(上期,下期)。 ・着工期限・設置期限があります。 ・応募資格として,「一般住宅用(一般用),(建売用)」があります。 ・他の公共機関(地方自治体)などの助成が受けられます。 ・募集期間が決まっていて,設置期間が指定されれます。

Q36. 補助金申請の手続きはどうしたらいいですか?

A. ・NEF http://www.nef.or.jp ・完工日から30日以内 or 平成16年3月10日の早い日までに,補助金交付申請書を財団に提出。 ・NEFに補助金申請の資料請求 申請書に施工者,施工業者の必要事項を記入し,申請する。 交付決定通知を受け取る ・各地方自治体の担当部署で関係書類を配布(規定・申込用紙・手引き)。 ・NEF(財団法人新エネルギー財団)のホームページからダウンロード ・GIAC(財団法人広域関東圏産業活性化センター)

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発電データについて

Q37. 発電データは記録する必要がありますか?また記録して役立つことはありますか?

A.国の補助金を受けた場合2年間の月ごとの発生電力量,売電電力量,買電電力量および半年ごとのシステム故障の内容、満足度などの記録を報告する義務があります。機器の異常に気付きやすくなりより関心が高まり節電ひいては,エコ意識が高まります。 PV健康診断のためにも毎月の発電量データは必要です。設備の故障診断,メンテナンスに大きな役割を果たします。これにより推定発電量比較,近隣発電量比較,および経済効果確認のシミュレーションができます。保険をかけているようなものです。

Q38. 発電データを記録する場合、検針日でとるのと月末締めでとるのとどちらがいいですか?

A.検針は電力会社との電力売買に必要なもので,検針日は,電力会社が定める日に行うデータ採取日です。これは,金額ベースでデータ分析・評価をするには都合が良いからです。検針日に併せて,発電量を記録すれば,金額を含めた統合データとして完備することができます。しかし,電力消費量はそれぞれの家庭の生活スタイル,電化の程度,家族構成などによって大きく変わり,検針日も地域によって異なります。そのため,検針日によるデータはあくまでプライベートデータとして活用するもので,共有データとしては利用が難しいといえます。太陽光発電は,暦(日照時間・気温)と大きな関係があり,発電量および,検針日データと同じ内容のデータを月締めでとる方法が共用データとして活用しやすいのでPV-Netではこちらを採用しています。

Q39. また、それぞれでデータを採るとどんなことがわかりますか?

A.検針日データは,各戸で検針が行われる日が,異なることなどの理由より,あくまで個人レベルでの評価となり,検針日が同じもの同士以外は参考データとなると考えられます。ただし,売買電力の料金より採算性の計算は,楽になります。 月締めのデータに関しては,全員が同じ条件でデータの収集を行うことにより,お互いの比較や合計などの評価をおこなうことができます。近隣サイトとの比較なども可能となります。ただし,その収集方法は,月末などに自らチェックするなど手間が必要です。 両方共に,消費電力量,消費電量に対する買電量の比率,等価システム稼働時間(発電量/定格出力),CO2削減寄与率などの評価は可能ですが,個人レベルでみるか,全体との比較ができるかといった違いがあります。

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最後に

Q40. 太陽光発電システムを導入してよかったことはなんですか?

A.太陽光発電設置者がやってよかったと思うものの中で最も多いのは節電・省エネルギーのライフスタイルになったという感想です。さらに家族を巻き込んで環境意識が啓発され家中のスウィッチを消して歩くなどのエピソードがいくつも報告され、家族のコミュニケーションを深めている姿が浮彫りになっています。 太陽光発電がCO2削減に大きく寄与し社会貢献していることに満足感を覚え、人に先んじてやったことはその満足感をさらに増すものになっています。話題の種にもなり多くの新しい仲間に会え、さらに自分で電気を作りだし、小なりといえ発電所長になれ、その発電データを取ることで自然の移り変わりを肌で感じたり、日々のけじめにもなっていると太陽光発電の効用を言う人たちが多くいます。 さらに実利としてもささやかとはいえ売電収入があり、月々の電気代が減少し、特に年金生活者には貴重な先行投資の収入となっています。思いがけない効用として屋根に設置することで夏季の灼熱をさえぎり屋根の劣化を防ぐだけでなく、部屋の温度が下がり涼しくなって満足している人も少なくありません。

Q41. 逆に悪かったことはありますか?

A.この設問の回答で最も多いのは「まったくない」でした。しかし、悪天候がストレスになると言う不満は太陽光発電独特のものです。以下次のような呟きが聞こえてきます。 ・油断して、ただだから電気を使いすぎる。 ・初期投資が大きい、無駄使いをした。 ・投資回収が長い、ローン返済が重荷。 ・雪の被害が気になる。 ・屋根の景観が悪くなった。 ・影で木を伐らなければならなかった。 ・期待したほど発電しない・経年劣化が心配。 さらに、 ・「けちけち」が家の人に少し評判が悪い。 ・PV-Netに参加して酒代がかさむ。 など、不満なのか苦情なのか解らないものもあります。

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