「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)の改正について(中間のまとめ)」のパブリックコメント募集に対し、太陽光発電ネットワークは以下の意見を提出しました(抜粋)。詳細説明を含む全文は意見書をご覧ください。
全体
【パブコメ結果の公表方法】 各意⾒が「事実を適切に認識した上での意⾒かどうか」に関する事実情報も付けて、結果を公表してください。
【都⺠の声の聴き方】 無作為抽出で一定数の都⺠を選び(統計的に有意な回答数を得られるであろう数)、気候危機に関する基礎情報を提供した上で、太陽光発電設置義務化についてのアンケートを取ってはどうでしょうか。
【基準年について】 削減目標や削減実績の「基準年」を2013年に変更することを検討してください。運⽤中の諸制度との関係で難しい場合は「2013年比」「2010年比」の値も併記してください。P.12 「2030年カーボンハーフに向けた取組の基本的考え方」
2030年削減目標の引き上げを検討してください。IPCCの「1.5℃特別報告書」以降、本気で温暖化対策に取り組む国や⾃治体や市⺠、事業者の間では下記2点が共通認識となっています。温暖化を1.5℃未満に留めるため、世界全体の温室効果ガスを2010年比で▲45%以上削減する
これまでの累積排出量が大きく、1人当たり排出量が現在でも途上国の数倍〜10倍以上となっている先進国には、より重い削減責任がある
都の「2000年比半減」目標は、2010年実績比では温室効果ガス全体で▲46%、二酸化炭素で▲45%削減という目標値になると思われます。これは上記世界平均ギリギリの目標値であり、世界の都市のトップランナーを目指すという都の基本スタンスに合致しないものとなっているのではないでしょうか。台風19号など温暖化型激甚災害の被災地でもある⻑野県では、「2030年までが人類の未来を決定づける」という危機意識を世界と共有し、2030年までに2010年比で6割削減」という目標を掲げています。「中間まとめ」にもあるとおり、都外での再エネ拡大、都外からの再エネ調達により、より高い目標達成の達成は実現可能ではないかと思われます。私権制約に踏み込むからには、そうした決意を示す必要があるのではないでしょうか。P.23 「3段階の評価基準の強化・拡充」
住宅全体の性能を評価しようとすると、どうしても項目が多くなり、CO2削減に関係する項目が、数ある評価項目の一つとして埋もれてしまいがちです。気候危機対策の重要性を踏まえ、少なくとも社会全体でゼロエミッションを達成するまでの間は、「CO2排出量が少ない住宅が価値の高い住宅である」という評価が新築でも中古でも共有されやすいようなウエイトづけや周知の工夫を住宅性能評価制度の中でも工夫してください。
P.30 「住宅等の一定の中小新築建物への太陽光発電設備の設置等を義務付ける新たな制度の創設」
新築住宅への太陽光発電設置義務化の「方向性」には賛成です。しかし今回の施策レベルでは、「(気候危機の)待ったなしの状況(P.6)」への対応としては効果が限定的ですので、「設置可能な全ての建築物で原則、義務化」を早期に検討してください。- 危機意識に⾒合った効果を目指すという点ではもっと上を最初から目指すべき
- 太陽光発電設置の原則義務化に対する都⺠の受容性は十分に高い
- 補助⾦の原資には、⾃分の意思だけでは設置できない集合住宅居住者や賃貸住宅居住者の都⺠税も含まれていることにも配慮すべき
- 都外の新設ソーラーシェアリングに出資するなど、⾃宅への設置と同等の追加的CO2削減措置を講じる場合は設置を免除するなどの例外規定を設ける
- 集合住宅や事業所、ビルも「原則設置」に
- 気候危機の啓発への協⼒も義務化を