脱炭素の風が地方議会にも届き始めており、「2030年脱炭素3点セット(※)」を国に求める陳情(提出:太陽光発電所ネットワーク)が、3月29日の三鷹市議会本会議で、賛成18、反対9の賛成多数で採択されました。2050年CO2ゼロにとどまらず、11月のCOP26で焦点となる2030年目標について、「IPCC1.5℃特別報告」の科学的知見に基づき、ここまで踏み込んだ地方議会の意思表示は全国初のものです(当NPO調べ)。
※2030年までに
①温暖化ガス50%以上削減(2010年比。2020年比35%以上)
②再エネ電源比率50%以上(水力含む)
③石炭火力発電全廃
このほか議員提出議案として、「第6次エネルギー基本計画を実効性あるものにすることを政府に求める決議(案)」も可決
なぜ「地域から」なのか
FIT(固定価格買取制度)がアーヘンというドイツの小都市から始まったように、「大転換」はいつも地域から始まります。「選挙」では、市民は諸問題の政策パッケージで投票先を選択せざるを得ませんが、請願・陳情では個別問題ごとに、各市議が「顔が見える市民の声」に耳を傾け、議会に持ち寄り、シングルイシューについての市民の意思を集約し、公式に表明することができます。
PV-Net東京では「大転換は地域から」の方針のもと、2011年から地域で温暖化啓発や市民発電所づくり等に取り組み、2019年以降は三鷹・武蔵野の両市議会に2種類の陳情を提出してきました。
①国の政策への意見……科学が求める削減目標設定、再エネ拡大、石炭火力廃止など
②市の対策強化……気候危機宣言、実行計画改定、全市結集体制による啓発
①は「市民の意思」を国に伝えるためですが、②は国に要求する手前……というだけではなく、気候危機の深刻さを市民に伝える啓発活動については、地域の方が国や県よりも圧倒的に効果的に早く実施できるからです。市には市民や市民団体、地域事業者等と直結するパイプがたくさんあり、縦割りを超えて全市的に取り組みさえすれば気候危機の認知度を短期間で飛躍的に高められることを、この間の地域の現場での実践を通じて確信しています。次はあなたが地元を変える番です。
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PV-Net東京地域交流会 担当:田中(PV-Net理事)
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