PV-Netでは一昨年末、昨年末と、太陽光発電システムの安全装置である「バイパスダイオード(BPD)」の故障調査のご協力を、PVユーザーの方々にお願いしてまいりました。そして今期も引き続き、産業技術総合研究所の協力により、同調査を実施することとなりました。
BPDとは、太陽光パネルに影や故障が生じた際に、その部位から電流を迂回させることで、発電量の低下を防ぐ装置です。BPDが故障すると、影・故障部分にそのまま電流が流れることで抵抗が生じ、発熱します。そのまま異常加熱が進んだ場合、加熱部に可燃物があると火災につながる可能性が危惧されています。
このBPDの故障は通常の計測・点検では見つけることはできません。現状では、故障を防ぐための明確な方法も明らかになっていませんが、その原因を解明するための本調査でもあります。これまでに、のべ300件以上の会員宅システムおよび、50kW未満の低圧発電所の調査を行った結果、100件に6件、6%の割合で故障が見つかりました(※)。また、本調査を行ったことで他の不具合が見つかったというケースも少なくありませんでした。
ご自宅の太陽光発電システムをこれからも安心して使うためにも、ぜひこの機会に無償での調査・点検にご協力いただければ幸いです。さらにご近所でPVシステムを設置されているご家庭がございましたら、近隣の住宅・地域の安全を守るという観点からも、ぜひともご案内・ご紹介いただけますと幸いです。
なお、調査は発電を行わない夜間に実施し、接続箱(ソーラーパネルからの配線をまとめてパワコンに送る機器)を開けて計測します。場合によっては室内に立ち入らせていただくことをご承知ください。無償点検をご希望の方は申し込みフォーム、あるいはメール・FAXにて調査申込書を担当者までお送りください。
太陽光発電システムの設置時期や設置地域、モジュールの仕様等により、ご希望に添えない場合もあります。あらかじめご了承ください。
- 調査実施期間
7月25日(水)まで - 対象システム
2006年~2013年設置(稼働)の住宅用および50kW未満の太陽光発電システム - 対象外となるもの
「セルが奇数列配列のモジュールを採用したシステム」「CIS・CIGS系太陽電池」
調査申込書(PDF) 調査申込書(Word) 申し込みフォーム
※「パネルの裏側に可燃物等は確認できない」「ホットスポットが数百度に達していない」場合等を除き、発電量の変化をチェックするなどの経過観察を指示しています